家族が社会の最小単位    H13.6

 昨今「人間性は如何したのだ!!」と思う事件が多発し、尚且つ年少化し小学生まで凶悪犯罪を犯しています。人の生い立ちが大きく関係していると思います。
 無責任情報の氾濫。均衡を欠いた教育。子育てを知らない親。道徳や倫理を上回る拝金主義的社会環境が、悪循環の末に人間の円満な生育を阻害しているのではないでしょうか。
 何万年と育みゆるやかに発展してきた、他の動物とは違う「人間性」を継承する事が出来なかった人がいるのではないでしょうか。心の問題、考え方の問題で外見ではわかりません。発想の転換と時間を要する、ゆゆしき問題です。
 人は群れを成して生息する動物です。最小単位として、出来るだけ多くの世代の家族「父母、兄弟、祖父母」が共に生活する事が大事です。又、叔父、叔母、従兄弟等の親族も多くの行事を通じて頻繁に接触する事が、そのファミリーの個性ある人間性の伝達につながると思います。そして更に町内や地域、友達との関わりの中に独自性の有る自己の人間性を深め、変化に富んだおもしろき社会を創りながら、自信溢れる自分の存在を確実にしていくと思います。
 核家族政策,消費を煽動する政策、精神鍛錬を否定した教育、対人関係をなくす遊興環境や情報システム、拝金主義、無味乾燥な数値評価、金縛りでゆとりの無い親、血が通わず矛盾を増やす責任回避の法治規制基準等、人間性や感性、道徳哲学に背を向けた社会風潮が大きく今の諸悪に関係していると思います。地球上に共生している一種の人類である筈ですが、怠慢や快楽の為の利便性追求や人類の身勝手で自然の「循環と均衡」を乱し、お金の為の無意味な闘争を果てなく繰り返し、自称「文明人」自ら、動物放棄,人間性放棄の狂った人類の生息環境にしてしまっているのではないでしょうか?
家族みんなが幸福な生活を全う出来る、子供は子供なりに、大人や高齢者はそれなりに、生き生き元気に実質的に生活出来る社会環境を作る必要を切実に感じます。ゆりかごから墓場まで家族揃って生活し、循環と均衡を維持し、果て無く末代迄、人間性や幸福探求の哲学を継承しなければならないと思います。
 その様な風潮が優勢であれば、そうした生活形態が出来ない人や出来にくい人も、それに変わる方策を思考し、その風潮に身を置くと思います。

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