どっちが大事           H11.8

 多くの人々に、喜ばれたり重宝がられる技術、振るまい、アイデア、製品を創出する事は日常生活で頻繁におこなわれています。
それが自分の存在価値であり、生活の意義ではないでしょうか。
 多くの人がそうした影響で、心身共に幸福になる要素ができれば良いと思います。
 建築は生活と密着している為、喜ばれ重宝がられる技術、デザイン、アイデア、機器の集大成であります。建築物自体、正に感謝され可愛がっていただく、その物です。
あらゆる職人のノウハウ、技術がその時々に注ぎ込まれながら、長い期間に、改善、集積し今に至っています。そして現在も新たに創意工夫が加えられ建築の発展に貢献しています。
 ただ、昨今、建築も複雑になり多様化しています。携わる者も分業化し新たな職種も増えております。そうした環境の中で、技能やノウハウも商取引化したり、時間=給料の考えが当然のようになり、金銭で全てが完結してしまう関係が多いようです。
お金が価値を生み出すのでは決して有りません。人の力が価値を生み出しその評価を一時的に貨幣に換算しているだけです。
時間が価値を生み出すのでは決して有りません。単位時間にどの様な成果が出たかが価値なのです。
価値を求め、成果を期待するのに、お金も、時間も大変貴重です。しかし、より大事なのは、人の力であり、成した成果です。
より少ないお金で大きな価値を生み出すパワー、より少ない時間で大きな成果が出せることが豊かさにつながるのではないでしょうか。           
 あたかも全てを自ら成した如く、許認可、協定などで特定の恩恵を独占して、制度を盾に金儲けに努力する人も少なくありません。残念な事です。
 真に良いもは、多くの人が喜び称賛して利用されます。その喜びが大きな環となり共に発展出来るのです。

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