役立てば求められる

 人は何のために働くのでしょうか。出世や給料のためでなく、人の役に立つため、みんなに喜んでもらう事が本当の働きであり、自らの喜びではないでしょうか。
 人は何のために生きるのでしょうか。喜びのために、幸せのために。そうです簡単で明らかな事です。生きるのは幸せのためなんです。
 人は幸せに生きる事を願っています。幸せとは、自分が嬉しくて、みんなが喜んでくれる事ではないでしょうか。その中身は一言で言い表わせませんが、生存と安心、安全と健康、自由と平和、愛と信頼、発展と調和などではないでしょうか。
 すなわち生きる目的と働く事は、同じ喜びと幸福を求める事です。生きている事、つまり仕事、遊び、趣味、勉強、食事、休息、睡眠、喜怒哀楽、全てその人の頭脳で判断し、幸せのために行動しているのです。
 その判断が今の楽を持って良しとするか、近々の楽や幸せを求めるか、遠大な幸せを思い判断するかは、その人それぞれ、あるいはその時々です。いずれにしても自分が嬉しくて、みんなが喜んでくれる行動を心がけねば幸せにつながりません。ただ長期的なビジョンを見据えて判断した方が、長い道程を生きて行く上で修正や挫折感が少なくて済むかもしれません。

 そうした思いで建築を通じてみんなに喜んでいただこうと考え、建築事務所でみなさんの建築行為のお世話をさせていただいています。
 たとえば既成の市街地で社会的にも都市計画の上からも高度利用が望まれる場所の設計の機会があれば、良質の社会資産として有効利用がなされるように努力をしています。それは、すでに社会資本を投じ住環境が整備充足されており、尚且つ高度利用を可能にする建築技術が発達しているからです。既成市街の利用効率をないがしろにし、人間の都合で新たに野山を切り開き居住地を拡大し自然破壊が進んでいます。大切な生活基盤の自然を守る為にも、無駄な土木建設や公共投資を削減する為にも、既在の市街地の再開発は大事なことと思うからです。
 人々や自然にとって良いと思われる建築に対する考え方を訴え続け、良質の社会資産となりうるように建築設計監理を行っています。それは施主や近隣者、建設業者とかの別無く全ての人々の喜び事であると信じ業務を行っています。
 おかげさまで三十年間、営業活動を行う事なく、民間の仕事100%で建築設計事務所の仕事を続けることができました。

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