原点  建築への思い

 若城建築事務所を開設したのは今から30年前のことです。
 叔母の住宅が最初のオリジナル設計です。土地購入の相談や資金の相談、公務員の給料と支給されるであろう退職金をあてに公的資金を借りての住宅建設でした。
 次は後輩から紹介された豪邸の設計監理です。予算は持っておられるのですが大家族で多くの希望があり、また、いろいろなことを心配され家相等の勉強にもなりました。そして、施主指定の建設業者が竣工を間近に倒産し、その処理に奔走しました。
 しかし、その住宅を見られたある病院長からご指名があり、種々の仕事をさせていただきました。建築好きの院長から、建築家は医師と同じで問診によって建築主を的確に診断する。そして専門のノウハウを提供して、医者が健康に貢献するように、建築家は建築に貢献するのだということを教わり、それには建築主と絶対的な信頼関係が不可欠であると学びました。多くの建築を計画され、多くのことを勉強させて頂きましたが、残念ながら志半ばで若くして他界されました。
 健康な建築はいつまでも生き続けます。それだけに設計の段階から工事中、引き渡されてからの使用と、いつまでもずっと、壊れないだろうか、建物の健康を害していないだろうかと心配はつきません。
 いつもまじめに建築に対する心配を解消すべく業務を行ってきた結果として、まわりの人たちの紹介のみで今日まで業務を続けさせていただいております。
 私は他の設計事務所のノウハウを具体的には知りません。「建築事務所はこのようにあるべきである」との私なりの理想を掲げて開設いたしました。そして、建築に対する心配を解消すべく研究研鑽して、あたたかな皆様方のご協力ご支援で今日の株式会社若城建築事務所の中味を作ってきました。

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